私が仏像と向き合っていくときもそうですし。時間の流れとともに、いろんな伝統芸能をいろんな人たちが受け継いでいくなかで、またいろんな広がりが見せていくので、それを実際に見ている私たちは、自分なりの物語を紡いでいけるんじゃないかと。その楽しみは、自分も味わいたいですし、みなさんにも味わってもらいたいです。
答えが一つじゃないと思うともっともっと楽しめると思います。(はな)

今回は地域代表として「吉和太鼓踊保存会」の方たちが来てくださっていた。メンバーはお年寄りから小さい子供からと幅広く、伝統芸能を将来の子供たちに継承させることにも力を入れているようだった。(大谷大輝)

吉和太鼓おどりは、足利尊氏の戦勝祝いで踊ったことが起源といわれ、650年もの歴史を刻む伝統行事です。独特な並びは船を表しており、「やぁ、はぁ」というかけ声は海の激しく荒々しい様を感じることができました。(緒方愛羽)

尾道公演

映画やアニメのロケ地として、最近では猫の町としても人気の尾道。中世の開港以来、尾道水道の地理的恩恵を受け、常に人・もの・財が集まる都市へと発展してきました。
尾道三山が迫るわずか2㎞四方の土地に寺社や家々がひしめき、今でも路地を曲がるたびに、中世・近世・近代と、様々な時代の物語に出あえます。
国宝・浄土寺は、尾道の発展の中核ともいえる存在です。今日は、“国宝応援大使”にも就任したモデルのはなと一緒に、尾道の歴史と文化を旅してみましょう!

今回の旅人 / はな

PROGRAMプログラム

読経

小林 暢善 小林 暢玄 小林 暢淳

開演に際し、お客様のご健康とご多幸を祈念します。

トーク「 尾道の日本遺産」 

西井 亨

尾道の魅力を分かりやすくご案内します。室町時代初期の武将今川了俊の紀行文も一部ご紹介。現代の街並みと似たような景色が、すでに見られたようです。

今川了俊 紀行文「道ゆきぶり」より
この所のかたちは、北に並びて浅芽深く、岩ほ凝りしける山あり。
麓に沿ひて、家々所せく並びつつ、網干すほどの庭だに少なし。

日本舞踊・箏曲 「秋一景」

日本舞踊 泉秀樹 箏曲(山田流)箏本手 田中奈央一 箏替手 長岡園美咲 三絃 山下紗綾

秋の尾道を情景に、今回特別に創作。旅人が尾道の様々な景色に出あい、想いを巡らせる様を、箏曲に乗せて踊ります。箏曲は、江戸由来の山田流。前半は歌入りで、後半は複数の古典曲の合の手(楽器だけの演奏部分)をコラージュした現代曲で緩急をつけ、日本舞踊を盛り上げます。

「行く秋」歌詞
行く秋の 雨ともならぬ薄曇り 風は吹かねど散るや木の葉の散るなかに
彷徨う蝶の影ひとつ 今見し夢の名残かと 肘つく机つくづくと 恋しきは帰らぬ昔ぞや
寂しきは宵闇の窓に 聞いて驚く鐘の声 過ぎ行く月日変わりなきこそつれなけれ

琵琶(薩摩琵琶) 「那須与一」「浄土寺ゆかりの和歌」 

榎本百香

中世に盲僧の演奏する音楽として生まれた琵琶楽。薩摩琵琶は室町時代に武士の修養のために作られた曲に由来します。勇壮さと優雅さが特徴。今日は、瀬戸内海での源平合戦を主題にした古典曲「那須与一」と、浄土寺や吉和太鼓おどりにも縁のある和歌を琵琶にアレンジした2曲をお楽しみください。

左兵衛督源尊氏 和歌「弘誓深如海」
わたつ海のふかきちかひのあまねさに たのミをかくるのりのふねかな

地域芸能 「吉和太鼓おどり」

吉和太鼓踊保存会

足利尊氏の戦勝を祝い漁師たちが踊ったことが起源といわれ、中世からおよそ650年もの歴史を刻む勇壮な伝統行事です。県無形民俗文化財および日本遺産構成文化財であり、尾道の歴史を語る上で欠かせません。通常は西暦遇数年の8月18日にのみ奉納されますが、今回は、浄土寺そして尾道の発展を祝し、特別に実演いただきます。

PERFORMERS出演者

旅人(進行)

はな

モデル。司会、ナレーション、執筆など、幅広く活動。インターナショナルスクール卒業後、上智大学で美術史を専攻。英語・フランス語が堪能。趣味はお菓子作り、仏像鑑賞。2017年9月国宝応援大使に就任。インスタグラム @hanalovestaco

トーク

西井亨

尾道市企画財政部文化振興課学芸員。静岡県出身。東北大学大学院考古学専攻修了後、静岡県埋蔵文化財調査研究所勤務。2005年より尾道市役所にて文化財の調査や活用に関する事業に従事。NHK「ブラタモリ尾道編」案内人。

日本舞踊

泉秀樹

日本舞踊泉流家元。2013年各流派合同新春舞踊大会最優秀賞受賞。同年NHK Eテレ「にっぽんの芸能“今かがやく若手たち”」出演。細身ながら芯のある美しい舞姿に定評。

箏曲

田中奈央一

山田流箏曲演奏家。NHK邦楽技能者育成会第50期首席卒業。演奏会、歌舞伎公演等に出演のほか、現代作品やコラボ作品の演奏など多岐に活動。東京藝術大学非常勤講師。

琵琶

榎本百香

鶴田流琵琶演奏家。ピアノ科を専攻していた大学時代に琵琶と出会いプロを決意。2011年日本伝統文化振興財団賞、2013年文部科学大臣賞ほか受賞多数。

OVERVIEW開催概要

日時

2017 年11月4日(土)
11:30 ~/ 14:00 ~

会場

広島県尾道市 浄土寺

観覧料

無料

座席

120席(全席自由。客席前方は座布団席、後方は椅子席。)

お問い合わせ

公益社団法人 日本芸能実演家団体協議会[略称:芸団協]

〒160-8374 東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎2階

TEL:03-5909-3060 FAX:03-5909-3061

Email:takaramono@geidankyo.or.jp

主催

文化庁、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会

共催

尾道市、浄土寺

広報協力
協力

特別協力=近畿日本ツーリスト株式会社

協力=一般社団法人共同通信社、公益社団法人日本三曲協会、日本琵琶楽協会、公益社団法人日本舞踊協会、吉和太鼓踊保存会

制作

舞台・音響・照明統括=岡本義秀(関西舞台)

台本=豊永純子(劇団じゅんこちゃん)

アートディレクション=庭野広祐(新村デザイン事務所)

Web制作=カワセタケヒロ・川井田麻生(musubime)、真鍋智彦(neold)

写真・映像ディレクション=大見謝将伍

撮影・編集=山田康太、堀切功

チラシ
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