ツアー
神奈川県 伊勢原
日本遺産「江戸庶民の信仰と行楽の地〜巨大な木太刀を担いで『大山詣り』〜」の世界を、登拝と芸能の2つの視点で楽しめるツアーを実施しました。江戸時代に流行した「大山詣り」を体験するツアーとして、12/18は日本人向け、翌12/19には外国人向けに、それぞれ芸能実演を交えたプログラムを展開しました。
大山は別名「雨降山(あめふりやま)」と呼ばれ、古くから雨乞いや五穀豊穣を願う信仰の地でした。 江戸時代には、富士よりも近い小旅行先として大人気となり、毎年江戸の人口の5分の1が訪れたといわれています。
地域や職能のグループでお金を出し合い「講」を組み、粋な江戸っ子が木太刀をかついで参拝する様は浮世絵にも多く描かれています。1931年にはケーブルカーが開通しましたが、当時から変わらない参道は、山頂までの登山道としても整備されています。
2020年度には、大山の豊かな歴史・自然についてのガイドが詰まった映像「大山バーチャルツアー&伝統芸能ライブ」を制作(1時間12分/出演:ルーカスB.B.・『PAPERSKY』編集人 × 三宅岳・山岳写真家)。
江戸時代に流行した「大山詣り」を体験するツアーとして、新宿駅から特急ロマンスカーを貸切って伊勢原へ。案内役は、大山にゆかりのある落語家・金原亭馬玉師匠。車両内やバス内で現地ガイドと一緒に歴史や文化を楽しく深堀りしました。大山に着くと宿坊で行衣をまとって礼拝を受け、大山寺を拝観し、大山阿夫利神社下社へ向かう往路からスタート。
大山阿夫利神社下社に到着したら、名物の大山とうふを使った「湯どうふ膳」を食して拝殿での「正式参拝」へ。神楽(倭舞 ・やまとまい)の奉納とともにお祓いを受けた後は、馬玉師匠による落語「大山詣り」を堪能しました。最後は、同神社の能舞台にて能の所作や衣装の着付けまで体験できる盛りだくさんの日帰りツアーでした。
外国人向けツアーとして「Pilgrimage Experience and Shamisen Concert」を実施。通訳ガイドによる山登りを午前中のオプションとし、お昼に大山阿夫利神社に集合して昼食からスタート。正式参拝後は、江戸時代に花開いた三味線音楽を鑑賞しました(演奏:杵屋勝十朗)。復路で大山寺を拝観して、能舞台で能体験を行うプログラムでした。
大山阿夫利神社の神楽舞として神前に奉納されるもの。 1873年(明治6年)に奈良の春日大社の富田家から伝授されたもので、倭舞11曲、巫女舞9曲が継承されている。 現在もこれほど多くの神楽舞が伝わっている場所は希少。
近世、大山で僧侶と山伏の争いが続いた事態を憂慮した時の徳川幕府は、この地に観世流能楽者「貴志又七郎」を派遣。双方に能楽を習わせ年に二回披露させると、次第に争いは収まり平和な御山になったと伝えられている。戦後の混乱による衰退から復活し、現在では観世流宗家一門、大蔵流狂言師山本東次郎氏の指導の下、大山能楽社が組織され、例年薪能も開催されている。
1979年生まれ 神奈川県伊勢原市出身。2000年に十一代目金原亭馬生に入門。2015年に真打ちに 昇進して二代目金原亭馬玉を襲名する。都内の寄席を中心にホール落語会や全国各地の地域寄席、学校寄席などで落語の魅力を伝える。江戸時代から続く噺家芝居「鹿芝居」のメンバーであり、太神楽に伝わる茶番劇、日本舞踊などの芸にも精進している。2016年から神奈中バス「伊勢原駅 北口 大山ケーブル行(直行便・臨時便)」の車内特別アナウンスを担当。
1978年千葉県出身。東京藝術大学卒業。 艶のある音色と巧みな技術を持ち、歌舞伎公演、日本舞踊公演、演奏会など幅広く活躍。津軽三味線でも受賞歴のある腕前。
NOBODY KNOWS [令和3年度 日本博主催・共催型プロジェクト]
プログラム主催:文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)
共催:大山阿夫利神社
後援:環境省、伊勢原市
協力:一般社団法人伊勢原市観光協会
旅行企画・実施:株式会社小田急トラベル/株式会社JTB神奈川西支店
企画協力:小田急電鉄株式会社、縦糸横糸合同会社
広報協力:三声舎
コミュニケーションデザイン:株式会社Que
デザイン:株式会社ガーデン
Web制作:株式会社テオ